スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

若田光一「日本人の『思いやり』を世界が見ている」

1804.2011 ロイター
若田光一「日本人の『思いやり』を世界が見ている」
がんばれ日本!「奇跡の復興」に向けて【6】
プレジデント 2011年4.18号
これほどの緊急事態に陥りながら、略奪行為や暴動もなく、秩序を重んじて
災害に対処する日本国民の姿が高く評価されています。

地震の第一報は、米テキサス州ヒューストンで聞きました。現地時間で3月10日の午前0時頃。JAXA(宇宙航空研究開発機構)筑波宇宙センターから、電話で「大きな地震が起きた」と知らされました。


fs_110418_gambare6.jpg
宇宙飛行士 若田光一●1963年、埼玉県生まれ。
九州大学大学院工学府修了。93年、NASA(米航空宇宙局)
ミッションスペシャリスト(MS)認定。
宇宙飛行3度(96年、2000年、09年)。
11年、ISS(国際宇宙ステーション)
第39次長期滞在クルーに。

職員は建物の外に避難し、全員無事だと聞き安心したのですが、埼玉県の家族とすぐには電話が繋がらず、メールでようやく無事を確認しました。が、その後の報道に触れるにつれ、被害の甚大さに慄然としました。

アメリカでも、この地震は各局のニュースで連日取り上げられています。津波の被害の様子や、被災者の方々の生々しい映像が伝えられ、福島原発の被災も大々的に報道されています。まるで日本にいて、自国のニュースを見ているようでした。

そんななかで、各国の宇宙飛行士の仲間や宇宙開発の関係者など多くの方から「家族は大丈夫か」「筑波の皆は元気か」と、メールなどで声をかけていただきました。「自分に何かできることはないか」と尋ねてくれる方もたくさんいました。

「被災者に救援の手を差し伸べたい」「震災からの復興を支援したい」。それは、世界がひとつになって、日本に応援メッセージを送っているかのようにさえ感じられました。

アメリカでの報道では、これほどの緊急事態に陥りながら、略奪行為や暴動もなく、秩序を重んじて災害に対処する日本国民の姿が高く評価されています。皆が協力し、助け合う姿に感銘を覚えるという報道がとても多いのです。

私は、これが世界に誇れる日本人の国民性だと思います。互いに相手を「思いやる」気持ちが強く、いざとなれば皆がそれに根ざした行動がとれる。これは素晴らしいことです。

今、世界の多くの国が、日本に支援の手を差し伸べています。その背景には、日本がこれまで培ってきた国際的な信用とともに、日本の技術力に対する期待も大きいと思います。

これまで日本は、「科学技術立国」を標榜し、世界の人々の日々の暮らしを豊かにするための技術を次から次へと生み出してきました。自動車、電化製品、カメラしかり。宇宙開発の分野でも、日本のロケット技術の信頼性は、国際的に非常に高く評価されています。

私が4カ月半滞在した国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」も、打ち上げられて3年以上経ちますが、ほとんど故障もなくきちんと動いています。ハーモニーを貴び、納得のいくまで完成度を高める心、改良に改良を重ね、少しでも良いものにしていこうという、いわば「匠の心」がそれを成さしめているのだと思います。

しかも、その技術を日本だけのものにせず、国際的なプロジェクトに生かしている。例えば、日本が主導して世界15カ国に働きかけ、日本の持つ世界最大級の地球観測衛星「だいち」を、地上の災害のモニタリングや環境問題対策に利用する取り組みを進めています。広い意味での、世界への「思いやり」といっていいかもしれません。

今回、多くの国が日本の震災復興を応援してくれるのは、技術分野においても「日本は世界のために努力してきた」という称賛の表れ。これがあるからこそ、世界が日本を助けようとしてくれているのだと思います。普段はあまり報じられることはありませんが、目には見えない日本の「思いやりの心」を、世界はちゃんと見てくれているんです。

被災された方も、それを支援される皆さんも、世界がうらやむ「思いやりの心」を大切にして復興に努めていただきたい。私も大きな意味での“復興チーム”の一員として、自分にできるところから取り組んでいこうと思います。
ロイター http://president.jp.reuters.com/article/2011/04/18/36DEB816-65A2-11E0-9E52-71283F99CD51.php



関連記事
スポンサーサイト

Add Comments

管理者にのみ通知
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。