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東電・エネ庁の電力供給量過少申告は「原発利権」温存のため

25.04.2011 news ポストセブン
東電・エネ庁の電力供給量過少申告は「原発利権」温存のため
「真夏の大停電」が起きると大騒ぎされたが、実は、当初の電力供給見通しでは、夜間の余剰電力を活用して水を汲み上げ、ピーク時に発電する揚力発電400万kW分が含まれておらず、大停電は回避できると週刊ポスト4月29日号で報じた。なぜこんなことが起きたのか。
まずは大山力・横浜国立大学大学院教授(電力システム工学)の説明を聞こう。
「揚水発電は夜間の余剰電力を使って水を汲み上げる仕組みですから、夜間にどれだけ安定的に余剰電力を揚水に供給できるかがポイントです。400万kWの根拠になる夏の夜間電力の見通しを精査すればさらに供給力が増える可能性がある」
環境エネルギー政策研究所の松原弘直・主席研究員はこういう。
「電力会社は通常、電力需要が下がる夜間は火力発電の出力を下げて運転する。コストがかかる方法ではあるが、夜間も火力発電の出力を下げずに揚水発電用の水をポンプアップすれば、揚水発電の供給力を増やすことができるはずです」
さらに東京電力幹部自らが、「揚水発電力の過少申告」を認める発言をしていたことも突き止めた。
本誌発売日の4月18日に、民主党は「電力需給問題対策プロジェクトチーム」を設置し、翌19日の初会合には細野哲弘・エネ庁長官や東電役員らが出席して需給計画を説明した。
この会合に参加したある議員が本誌報道を前提に、「実際に揚水発電で見込める供給力の上限はどの程度か」と質したところ、東電役員は、
「850万kWまでは可能です」
と明言したというのだ(役員の発言について東電は「確認できない」と回答)。
前出の経産省幹部が語る。
「エネ庁から揚水を供給力に含めるよう指示された東電は、昨年の夏期の夜間余剰電力などをもとに850万kWという数字を報告した。すると今度は“それでは多すぎる”と修正を求められたようだ。東電役員は、その隠すはずの試算だった850万kWという具体的な数字を思わず口にしてしまったのだろう」
枝野長官も含め、嘘がバレても「次の嘘」で塗り固めようとする政府の品性の卑しさには反吐が出る。しかも、「850万」が昨年実績の数字ならば、やはり専門家の指摘通り、火力のフル稼働などで揚水の最大出力「1050万」も実現できる可能性が高まった。
第一生命経済研究所は、電力不足による経済活動の低下で今年の実質国内総生産が3.9兆円ダウンすると試算している。それが政官と東電の原発利権のためだとすれば、国民や企業は彼らに「損害補償」を求めるべきではないか。
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号
news ポストセブン http://www.news-postseven.com/archives/20110425_18490.html

25.04.2011 news ポストセブン
雑誌の「夏の電力充分」報道で政府の電力供給見通し方向転換
週刊ポスト前号(4月29日号)「『原発完全停止』でも『停電』なし」が、政府と東電を大慌てさせた。震災対応そっちのけの大騒ぎは呆れるしかないが、彼らにはそれほど「痛いところを突かれた報道」だったのだろう。
本誌がスクープしたのは資源エネルギー庁作成の「東京電力の設備出力の復旧動向一覧表」という極秘資料だ。これには7月末の東京電力の供給能力が「4650万kW」と記され、これが「真夏の大停電が起きる」という政府の“脅し”の根拠にされた。
ところが資料を子細に検証すると、ここには東電管内全体で1050万kWの発電力を持つ揚水発電(※1)が全く含まれず、停止中の火力発電所も加えられていなかった。これらを含めれば、企業や一般家庭に使用制限を設けずとも「真夏の大停電」は回避できる。それをしない背景には、与野党政治家の「原発利権死守」の思惑があった、というのが前号の概要である。
その締め切り日だった4月14日、揚水発電についてエネ庁を直撃すると、狼狽した様子で極秘資料の存在を認め、「確実に発電できるものしか供給力には含めない」(電力基盤整備課)と苦しい回答に終始した。
が、同庁は本誌取材の直後、舌の根も乾かぬうちに、「全く別の指示」を東電に出した。翌15日夕方、東電は「揚水発電の400万kW、震災で停止中の共同火力発電所(※2)の再稼働110万kWなどで550万kWの上乗せが可能になったため、7月末の供給力は5200万kWになった」と発表したのである。
経緯を知る経産省幹部が明かす。
「『ポスト』が取材をかけたあと、エネ庁から東電に揚水の一部を供給力に含めろと指示が下った。記事が指摘していた通り、これまでエネ庁は東電に“原発の必要性がわかる資料”を要求してきたから、彼らも突然の方向転換に面食らったようだ」
要は「電力隠し」を見抜かれたエネ庁と東電が、本誌スクープで国民裏切りの大嘘がバレるのを恐れ、発売前に大慌てで供給力の水増し調整を行なったというわけである。
それでも枝野幸男・官房長官は4月15日の会見で、「これで需給ギャップが埋められるものではない」と強調した。まだ“原発は必要”といううそにしがみつく醜いあがきだったが、弥縫策(びぼうさく)はまた綻ぶものだ。
(※1)揚水発電/水力発電所を挟んで上貯水池と下貯水池を作り、夜間などの余剰電力を利用してポンプで水を汲み上げ(この作業を「揚水」と呼ぶ)、昼間の電力使用ピークの時間帯に水を流下させて発電する仕組み。
(※2)共同火力発電所/東電が他社と共同で出資・運営し、電力供給を受ける火力発電所のこと。4月15日に発表された見通しでは、鹿島共同火力(出資は東電50%、住友金属工業50%)の1、3、4号機と、常磐共同火力(出資は東電49%、東北電力49%など)の8、9号機が今夏までに再稼働するとされた。
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号
news ポストセブン http://www.news-postseven.com/archives/20110425_18482.html

18.04.2011 news ポストセブン
「揚水発電」をカウントすれば原発なしでも夏の電力間に合う
菅直人・首相は震災発生から1か月と1日後の記者会見(4月12日)で、こう力を込めた。
「原子力事故が起きて以来、政府の責任者である私が知ったことで、都合が悪いから隠すようにといったことは一切ありません」――震災以降、批判を恐れて滅多に会見しようとしなかった「国を操る人」の言葉は、真っ赤な嘘だった。
本誌『週刊ポスト』はそのことを示す1枚の極秘資料を入手した。しかし、それが示す事実は国民には公開されていない。
資料には、『東京電力の設備出力及び地震による復旧・定期検査等からの立ち上がりの動向』と表題が記されている。東京電力のすべての原子力、火力発電所や水力発電の出力、被災状況、7月末までにどの発電所の何号機が復旧するかの見通しが一覧表にまとめられたものだ。資源エネルギー庁が官邸や政務三役、与党幹部などへの電力制限の説明資料として作成したもので、右肩に「厳秘」と入っている。
資料からは、大地震前後の東電の発電能力の変化が一目でわかる。震災前には5200万kWの供給力があったが、地震と津波で原発3か所をはじめ、7か所の火力発電所が全基停止し、3月14日時点では供給力は3100万kWに下がった。首都圏で計画停電が実施され、電車の大幅減便で通勤難民があふれたあの時である。
電力需要がピークを迎える7月末に向けて、定期点検のために休止していた東扇島や姉崎などの火力発電所はすでに運転を再開し、震災の被害により停止していた鹿島や常陸那珂の火力発電所も復旧して立ち上がる見通しだが、それでも供給力は4650万kWにとどまると記されている。
記録的猛暑だった昨年の電力消費量のピークは7月23日の5999万kW。東電の需給見通しによると、今年のピーク時電力はそれより低い「5500万kW程度」と予測されるものの、供給力が850万kWも不足する計算になる。政府や東電が「このままでは真夏の大停電が起こる」と喧伝するのは、この数字を根拠にしている。
ところが、資料を詳細に分析すると、7月の供給力には盛り込まれていない“隠された電力”がある。「揚水発電」の出力が計算されていないのだ。
「揚水発電」は、夜間の余剰電力を利用して下貯水池から上貯水池にポンプで水を汲み上げ、日中の電力消費の多い時間帯に水力発電をする仕組み。発電時間は上貯水池の水が空になるまでの数時間だが、首都圏の夏の最大電力は午後2時を中心とした5~6時間である。揚水発電の役割は、まさにピーク時の電力を補うための非常用電源といえる。今のような停電危機にこそ有効に活用すべき設備なのである。
東電は日航機墜落事故現場で知られる御巣鷹山の地下500mをくり抜いた世界最大の揚水発電「神流川発電所」(現在は1号機47万kWが完成)をはじめ、多くの大型揚水発電所を持ち、資料によると出力は全部で1050万kWに上る。東電は「揚水発電を発電量に織り込めるかどうかは精査中です」(広報部)というが、エネ庁がこの揚水発電を使わないことにしているのは不可解すぎる。
ちなみに、通常、揚水発電は原発の夜間電力を使って水を汲み上げていると説明されているため、原発の多くが停止してしまえば使えないと誤解されている面があるが、それは違う。電気事業連合会も「原発でなくても、夜間の余剰電力があれば揚水は稼働できます」(広報部)と認めている。
そこで、東電の7月末の4650万kWに加え、揚水発電の1050万kWをフル稼働させると計算すると、7月末に使える東電の供給力は5700万kWになる。これならばピーク需要を賄うことが可能なのだ。
他にも、7月末までの稼働予定に入っていない鹿島共同火力発電所1号機(17.5万kW)、常磐共同火力発電所9号機(30万kW)などの復旧が進んでおり、供給力がもっと増える可能性も出てきている。
また、長期停止中の横須賀火力発電所も、8基中4基は稼働させる予定だが、残りの4基も早期に再開できるという指摘がある。
5500万kWというピーク時電力も毎日続くわけではない。1年のうち数日であり、東電の夏場の平日の平均最大電力は4800万kW(需給見通し)とされている。揚水発電を合わせた供給力なら900万kWも余裕がある。
資源エネルギー庁電気・ガス事業部の電力基盤整備課の担当者は、資料の存在を認めたうえで、「このデータは開示しているものではない。どこで入手したのか」と逆質問してきた。
――揚水発電を供給すれば、ピーク時の需要もまかなえるのではないか。
「使用を考えていないわけではない。が、揚水の出力1050万kWというのは最大値で、貯水池の水量の変化などによって、ピーク時に最大出力が使えるかは状況によって変わる。電力が足りない日が1日もあってはいけないと対応しているので、確実な電力だけしか供給力に計算していない」
官僚答弁の典型だ。だが、資料にはさらに目を疑う数字もある。東電の総供給能力は7800万kW。そのうち原子力は1820万kWだ。つまり、原発をすべて停止しても最大5980万kWの供給力があることになる。
現在、東電の原発は柏崎刈羽の1号機と5~7号機が稼働(出力は4基で491.2万kW)しているが、停止中の火力が復旧すれば、柏崎刈羽の全炉を停止しても、「停電」はしないですむことを示すデータだ。
※週刊ポスト2011年4月29日号
news ポストセブン http://www.news-postseven.com/archives/20110418_17850.html

25.04.2011 msn
節電目標引き下げ迷走 揚水・復旧火力は不安定…一瞬で大停電の恐れ
 今夏の電力不足問題で、政府が先に打ち出した節電目標の引き下げに苦慮している。東京電力による供給力の上積みで数字の上では引き下げが可能になるが、上積み分の供給力は不安定だからだ。節電意識が薄れる恐れもあり、一瞬でも電力消費量が供給量を上回ることで起きる「不規則な大規模停電」のリスクが拭えない。

 政府は当初、22日に全閣僚による「電力需給緊急対策本部」を開き、引き下げを決める方針だったが、異論が相次ぎ見送りとなった。従来目標は日中の最大電力使用量を大企業など大口利用者が25%、町工場など小口が20%、一般家庭も15~20%削減する内容で、一律15%に引き下げる案を軸に検討している。

 東電の供給力は7月末が5200万キロワット、柏崎刈羽原発1、7号機が定期検査に入る8月は5080万キロワットで、5500万キロワットへの上積みを目指している。猛暑だった昨夏の6千万キロワットから15%削減すれば、ギリギリ対応できる。

 上積み分で最も大きいのが、揚水発電の400万キロワット。さらに500万キロワット近い設備があり、一段の積み上げの有力候補だ。
msn http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110425/biz11042520070050-n1.htm



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