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役に立たない日本の政治日本を復興するのか、破滅させるのか

02.05.2011 JBプレス/The Economist
役に立たない日本の政治日本を復興するのか、破滅させるのか
(英エコノミスト誌 2011年4月30日号)
国の未来が見えない中でも、日本の政治家は自分のことばかり考えている。

3月11日、福島第一原子力発電所が地震と津波に襲われ、原子炉が機能停止に陥った直後、一帯に設置されていた放射性物質の測定装置が1台を除いて全滅した。そこで東京の監督官庁は、放射能漏れの深刻度を測定する計器を積んだ車を送り出した。

 福島第一原発を運営する東京電力の監督役に先頃任命された細野豪志首相補佐官の話によると、困ったことに、この車は渋滞に巻き込まれてしまった。さらに津波の影響で全国的な燃料不足が発生する中、車がガス欠に陥った。そのため、政府は測定任務を断念した。

 その後、政府は福島第一原発事故の深刻度は25年前に起きたチェルノブイリ原発事故と同じレベルに相当すると宣言したが、細野補佐官によると、放射性物質の放出量に関する確かなデータが得られるまでに7ないし10日を要したという。

 確かなデータが得られる以前に、既に6基ある原子炉の少なくとも1基で部分的な炉心溶融(メルトダウン)が起きたことは明らかになっていた。

場当たり的な対応でも・・・

 こうした話を聞くと、日本の原発事故への対応がいかに場当たり的だったかと、あきれる人もいるだろう。実際、当時車で福島に向かっていたジャーナリストでさえ、主要な幹線道路でガソリンを補給できていたのだ。

 それでも、日本を第2次世界大戦以降で最大の苦境に追い込んだ途方もない災害の連続に対して、菅直人首相が全体に対応を誤ったと具体的に非難する声は、現時点まで聞かれない。

 上智大学の中野晃一氏は、日本国民の間では、菅首相はいらつきやすい性格だとの認識が高まっており、こうした点が支持率低下を招いているとしながらも、「菅首相の行動が大きな不利益をもたらしているという明白な事例はない」と指摘した。

 それでも、野党はもちろん与党の政治家までが、菅氏の追い落としを企てている。そのこと自体が、今さら指摘するまでもないが、日本の政治家が驚くほど自分のことばかり考えていることの表れだ。

 4月26日、前首相の鳩山由紀夫氏は菅首相に批判的な与党民主党の議員64人を集め、勉強会を開いた。

 鳩山氏はわずか9カ月足らずの首相在任中に、その無能さを露呈した人物だ。ところが辞任してからは当時の記憶をすべて忘れ、後任者への怒りを日に日に強めているように見える。

 鳩山氏は今回の勉強会を「震災に対応できる連立政権に向けた総調和の会」と呼んでいる。しかし、調和を謳う名前とは裏腹に、この勉強会には党内の反菅派でクーデターを企てるという目的が隠されている。

 一方、野党の自民党も菅首相の早期辞任を求めている。自民党は2009年までの50年間の大部分を政権与党として治め、原子力業界の杜撰な安全基準について大きな責任を負う政党だ。同党が他の野党と手を組み、問責決議案を提出する可能性もある。

権力闘争に明け暮れる政治家

 国民は、再度回転ドアのように首相が入れ替わることを望んでいないにもかかわらず、政界はこのような現状だ。指導者が本来原発問題と被災者救援に集中すべき時に、権力闘争のための権力闘争に明け暮れることは、誰が見ても常軌を逸している。そう思わないのは策略に夢中な政治家だけだ。

 震災からの復興の道筋について、説得力のある選択肢を提示している主要政党はない。その点においては与党の民主党も例外ではない。今回の危機を改革を推し進めるチャンスと捉えるどころか、民主党の岡田克也幹事長は、復興計画や新たなエネルギー政策、再建のための消費税増税などを同党から提案するのは、事態が落ち着いてからだと発言している。

 しかし、希望がないわけではない。4月26日、政府が新設した東日本大震災復興構想会議で、議長を務める五百旗頭真氏と検討部会の部会長を務める飯尾潤氏(いずれも民間人)が、死者・行方不明者(津波にさらわれたと見られる)合わせて2万6000人近くという壊滅的な被害を受けた東北地方の復興について、出発点となる考えを表明した。

 両氏は、復興には少なくとも10年はかかると考えているが、その構想は、特にビジョンを欠く政界と比較すると、実に大胆だ。破壊された地域社会の再生においては地元住民が中心的な役割を果たし、高齢者が暮らしやすいやり方で再建を図るという構想だ。

 さらに両氏は、産業界や国外からのアイデアを取り入れるとともに、東京の中央政府の影響力を制限することを提案している。政府は意思決定の一極集中化を危険なほど進めすぎているという認識だ。これほどの難題には普通のやり方では通用しないと飯尾氏は強調した。

 同じ日、菅首相は福島第一原発で起きた一連の事故について検証組織を立ち上げる意向を明らかにした。原子力関連の官僚は、日本の他の原発の安全性を判定する必要があるのなら、国外の専門家も交えて今回の事故に関する徹底的な調査を早急に行うべきだと考えている。

 特に津波に襲われた直後の3月11日の夜、1基の格納容器内に溜まった放射物質を含む水蒸気を放出する「ベント作業」が遅れた経緯を詳しく調べる必要があるだろう。

 当局が最も懸念しているのは、静岡の浜岡原発の状況だ。もし今回より東京に近い場所で地震が発生すれば、浜岡原発が首都に対する最大のリスクになると予想されるためだ。浜岡原発は建設されてからの年月も原子炉の形式も福島第一原発に近い。

国民が変化を求めれば後押しに

 それでも、復興構想会議や原発事故の調査が従来の日本流のやり方に根本的な変化をもたらすかどうかは、結局、首相の指導力によるところが大きい。良いアイデアが提案されたとしても、それが官僚と政治家からなる東京の泥沼に沈まないようにできるのは、菅首相だけだ。

 自らが率いる与党内にも反対派を抱え、野党も非協力的な現状では、地方分権や健全なエネルギー構想の推進はもちろんのこと、補正予算案が国会を通過するかどうかさえ不透明だ。

 一般国民が変化を求める大きな声を上げれば、後押しになるかもしれない。しかし、数日前から東電に対して起きている散発的な抗議行動を除くと、日本国民はまだ、つまらない政治家をおして意見を述べるには至っていない。
JBプレス/The Economist http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/6426


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